夏は熱中症の季節です

家族でお見送り

夏は熱中症の季節です。日頃の水分補給を怠らないことは当然ですがきちんと食事をとることも予防のポイントです。多くのお年寄りは歳を重ねると食が細くなります。寝たきりのお年寄りも食の夏枯れに苛まれます。寒さも体にこたえるけれど暑さも体にこたえます。この夏、すでに何人かのお年寄りを見送りました。

「美味いもんくりゃー」

人の顔を見ると決まってそう言うおばあちゃんがこのほど旅立ちました。ほんのこの前まで口に物を運ぶと目を閉じたまま黙々と食べていたおばあちゃん、とある朝から何も受け付けなくなりました。たまたま家族が自分の事で診療所を訪れてくださり「おばあちゃん、朝から変なのよ」と教えてくれました。それはさっそく診に行きましょうとご自宅を訪ねると確かに元気がありません。診察をさせていただき、そろそろかもしれないことを告げて間もなくおばあちゃんは息をしなくなりました。とても安らかに息子夫婦に上手に最期を看取ってもらいました。

カルテを見返すと5年前からお嫁さんの肩を借りて来院するようになっていました。この一年間は自宅で寝たきりになっていました。息子夫婦は地域の施設を利用しながら上手にやりくりしておばあちゃんを看てきました。いろんな苦労もありました。お嫁さんはしみじみこう言いました。「おばあちゃん、私から嫌われる前に上手に逝ったわね。」訪れるご近所さんが口々に言います。「ばあちゃん、幸せだったね。ほんとに幸せだったね。」出来るなら、僕の最後もこんなほほえみの中で迎えられないものかと心から羨ましく思いました。